塾相撲部から初の全国体重別115kgs未満級ベスト8となって、そして社会人となって貪欲と謙虚…私が大学で迎えたターニングポイントのキモはこの2語に集約されます。また、表題の実績は、客観的な評価は別にして、個人として最大限出し得た戦果だと考えています。私は小学校から相撲をはじめ、高校まで程々の実績を積んできました。が、大学に入ると状況が激変。高校は選手の技量・やる気ともピンキリでしたが、大学は高校時代一定の実績を積んだ猛者ばかり…あまり求めずとも出ていた結果が、出なくなりました。特にこれを強く感じたのは大学2年の東日本リーグ。心身とも充実した中で臨んだ試合で、結果は前年と同じ1勝(7戦中)…先が思いやられました。振り返ると、この際初めて相撲への取り組み方を冷静に見直しました。そして初めて結果に対して「貪欲さ」を持ちました。すると徐々に実績は上向き、4年時にはそれを買われ主将を務めることになりました。
欲を持つことで、勝利への執念はもとより、一瞬の集中力が磨かれました。しかしまた新たな壁が…。奇しくも舞台は同じ大会。私は前年(3年時)6勝をあげましたが、この年は4勝、チームも2部から転落…。引退まで2月を切っていました。原因が分からずにいた中、私はある些細な事務上のミスでチームに重大な迷惑をかけます。この時、ふと気付いたのです、自分が「独りよがり」になっていることに。自分一人で実績を築いたという勘違い、相撲への感謝の欠落があったことに。迎えた体重別。私はこの大会でベスト8になることを「欲を持った」時期から目標に掲げていたものの、実現は難しいと考えていました。だからこの千載一遇の機会を絶対ものにしたい…大会の予選突破後はそう考えました。が、試合直前の心境は違いました。只管勝ちたいではなく、1秒でも長く土俵に居させてほしい、1戦でも多く試合をさせてもらいたいという「謙虚な」気持ちになったのです。結果的にこれが良い効果を生み、冒頭の戦果につながりました。卒業後、私はTBSテレビという会社に入社。本年7月まで営業、現在はスポーツ制作に携わっています。社会に出ても当時と同じく目標に向かって貪欲に、時に省みながら日々精進しています。