私は塾相撲部に4年間、お世話になりました。この4年の間に私は「3つの宝」を学びました。
1つ目は、「感謝の気持ち」です。指導してくださる先生方、応援してくださる皆様、育ててくれた両親、等々全ての要素が成り立って初めて我々は部活動に打ち込むことができます。特に最終学年の時は部活動運営もさせていただいておりましたので、裏でたくさんの方が動いてくださっていることを自分の目で見ることが多々ありました。また私の引退試合には、体育会の仲間が何十人も国技館まで応援に駆け付けてくれました。普段当たり前のように稽古をし、試合に出る中で、このようなことを思い出し感謝する姿勢が何より大事だと、私は強く感じました。それが部活動のいいところであり、「礼に始まり礼に終わる」相撲の基本であると考えます。
2つ目は、「考えて行動すること」です。弊部には素人出身の選手が多数います。また高校時代高い実績を誇る選手は1人もいません。その中でAクラスの強豪校を倒すためには、ただ稽古をしたのではとても勝てません。ポテンシャルの高いチームを倒すには、差別化を図らなければなりません。その1つが、考えて行動することです。常に長期、中期、短期の目標を掲げ、そのために必要なことを各自が考え、稽古に活かすことが重要です。そうすることで1つ1つの稽古に意味を持たせることができ、高い質の練習ができます。私は大学3年までそれを実行することができませんでしたが、最終学年の時ようやく実行し、ようやく格上のチームを倒すことができました。
3つ目は、「謙遜と慎みの心」です。人よりも秀でるものがあるからと言って横柄になってしまってはそれ以上の成長はありません。人間的魅力もありません。相撲という武道を通じ、それを学び社会で活躍されている先輩方が弊部にはたくさんいらっしゃいます。そのような方々を見て、私はこれを学びました。
これらのことは、頭でわかっていてもなかなか実行することはできません。1つ大きな勇気と覚悟を持ち、実行することで人としての徳が積まれ、最終的には結果に表れることと思います。この「実学」を学ぶことのできる相撲部は、素晴らしい環境が整っていると感じています。