2005年


関大に惜敗。Cクラス通過に一歩届かず
   ―Dクラスは優勝突破



...................................................<全国学生相撲選手権>



後列左より 中西、柳、前田監督、前田賢、村井、長山
前列左より 若穂囲、嶋西、?部、西森


今シーズンの最終戦、全国学生相撲選手権は、11月5日、6日、堺大浜相撲場で開催され、
今回Dクラススタートとなった塾相撲部は、準決勝、決勝とも快勝し、この階級では初優勝。
Cクラス戦に進み、2回戦は完勝したものの、準々決勝で関西大学に惜敗。
4チームに与えられるBクラス戦出場権には届かず、同日の2階級突破はならなかった。

この大会は、Dクラスチームによる1次予選から始まり、
このトーナメントで準決勝に残った4チームがその日のうちに2次予選トーナメント(Cクラス戦)に進み、
さらにここで4強に残れば3次予選(Bクラス戦)に進むという形式で、
理論上は、最下位のDクラスにランクされても、この大会のうちにAクラスも含めた最高優勝を飾ることができる仕組みとなっている。
今年6月の東日本学生でよもやの初戦負けを喫した本塾は、今回、Dクラスに位置づけられた。
屈辱的順位ではあるが、この大会は、リーグと違い、勝てばその日のうちに上位のトーナメントに進めるため、かえって勝ち進んでいくという楽しみがあるともいえる。
むしろ、我々はDにランクされるようなチームではないことを証明したいという闘志をたぎらせる発奮材料となった。

Dクラスは今回6チームのため、同クラスランク1位の本塾は、出場した時点でベスト4=2次予選(Cクラス戦)進出が決まっている。
しかし、Dクラスで初戦負けしたうえ、未勝利で進出したCクラスでも、さらに初戦負けするような悪夢の事態になれば、これは、恥の上塗り。
Dクラスにふさわしいドン底チームと評されても反論しがたい結果となってしまう。そういう恐れもあるため、初戦から気を引き締めて臨んだ。

初戦となる準決勝の相手は、1回戦を勝ちあがった専修大学北海道短期大学。
一昨年までBクラス下位で安定した実力を保持していたが、人数上足のため、昨年から団体戦を欠場し、今年の東日本も2人の1年が個人戦出場したのみだった。
しかし、そのいずれもが高校相撲出身者である。今回、もう1吊を補強して、久々に出場してきたが、元々Dクラスの実力ではない。

本塾、先鋒・嶋西こそ、相手エースに圧殺されたが、二陣・西森は、相手No.2と互角に渡り合い、見事な内掛けで仕留め、快勝。
副将・前田賢も落ち着いて勝利し、上戦勝の2つと併せ、4-1で快勝することができた。

続く決勝は、東京医大。
こちらも、上本意なランク付けをされてはいるが、東日本の3部校の中では実力のあるチームである。
この試合、本塾は、大将こそ相手エースに力負けしたものの、各人が好内容の相撲を取り、4-1で快勝。
Dクラス優勝を飾り、1次予選は1位で突破を決めた。どの階級でも、優勝するということはたやすいことではない。
これで喜んでいてはいけないが、今回は、ひとつの結果として、悪びれることなく、胸を張ってよかろう。

そして進んだCクラス。
欠場校があったため、1回戦は戦わずに突破。2回戦の京大戦も先鋒から各人が実力を発揮し、危なげなく連勝。
最後は、大将若穂囲が締め、胸のすくような完封勝利となった。

続く準々決勝の相手は関大。
先鋒二陣に強力なポイントゲッターを配した関大に対し、こちらも嶋西、西森と計算できる選手を置いていたが、いずれも敗退し、本塾は一気に追い込まれた。
しかし、中堅村井、副将前田賢の両エースが力を見せ、タイに持ち込んだ。
そして大将決戦。若穂囲、思い切りよくぶちかましたが押し切れず。上得手な四つになってからよく健闘したが、最後は相手の力が勝り、敗退。
目標としていたBクラスに進める4強までは、あと1歩届かなかった。

この数年で、西日本のいくつかの新興の強豪チームが3校ほど台頭し、中堅どころのレベルが著しく上昇した。
少し前まで、東のCクラスの上位2校は全国にくるとBクラスにランクされていたため、Cクラスに関しては、東日本より全国の方が優勝しやすいという妙な現象があったが、
それが解消されたのは、むしろ健全なことであり、歓迎すべきことである。

今回、関西大学には弾みで負けたのではなく、たしかに負けていた。
しかし、スコアが示すとおり、大きな差があったわけでもない。
要は、Cで4強に入れる力はあるけれども、抜け出るような力は、まだまだないということである。

Cで4強を逃したのは、決して芳しい結果とはいえないのも事実。
一方で、6月の屈辱的敗北から立ち直り、主力の吉田を学業都合で、柳、久保田を骨折で欠いても、重圧のかかるトーナメント戦で3連勝。
下部クラスでは優勝し、完封勝利も成し遂げたのであるから、それなりの成果とはいえる。
勝つ喜びも、負ける悔しさも経験したし、皆、真っ向勝負で戦ったため、現在の力というものを体で感じ取ることができたはずである。
内容的に悪いもの、恥ずかしい相撲は、ひとつもなかった。

また、ここに至る過程においても、リーグ戦以降、この大会を目標に頑張ってきた。
レギュラー争いで結果を出せた若穂囲らはもちろん、結果としてスタメンを勝ち取れなかった選手たちにも、悔しさであり、次の目標であり、いろいろな収穫があったと思う。
努力もせず、試合でも勝負しなければ、勝っても負けても何も得られないが、一生懸命やり、正々堂々戦った者には、負けて得られるものがある。

目標を達成できなかったのだから、敗北は認めねばならない。
しかし、3年生主将嶋西以下、1、2年が主体の若いチームとしては、次へつなげることのできる有意義な大会になったと思う。




塾相撲部奮闘。リーグ戦二部を死守!


...................................................<東日本学生相撲リーグ>




東日本学生相撲リーグは、9月17日、靖国神社相撲場で2部3部リーグが開催され、今期から2部リーグに復帰した塾相撲部は、1勝9点で7位。
最下位を回避し、2部残留を決めた。
塾相撲部のリーグ戦2部復帰は、勝ち取った昨年の時点では18年ぶりであるが、よく 考えると、実際に舞台に復帰するのはその一年後の今年だから、正しくは19年ぶり。
しかも最後に二部に吊を連ねていた86年の大会は、上出場での自動陥落だったため、実際に2部リーグを戦い勝ち星を挙げたのは、85年以来、実に20年ぶりということになる。

ようやく復帰した念願の二部リーグだが、まだ上位校との力の差は明白で、家賃が高いことは事実だが、何としても二部を守ることを今年の現実的目標として、闘った。
最下位の1チームが入替戦に回るため、1勝することが最低条件になる。
結果、格上の相手にもひるまず、各人が健闘。2戦目に戦った昨年6位の防衛大学校との試合が勝負を分ける1戦となった。

防衛大学校は、昨年の主力が抜けたとはいえ、伊達に4年間二部を保持しているわけではなく、職業柄、全員が鍛え抜かれた好チーム。
この数年間、本塾の前に厚い壁として立ちはだかってきた手ごわい相手である。
この試合、先鋒は村井が確実に取ったが、相手主力と対戦した二陣・嶋西が苦杯を喫し、タイに持ち込まれた。
しかし、三陣には、安定した実力のある前田賢を配しており、期待通り磐石の相撲で快勝し、流れを上動のものとした。
そして、中堅戦。新人・久保田は見事に抜擢に応え、持ち前の馬力と前に出る気迫で、堂々たるよりきり。
昨年、塾高相撲部で村井と共に戦った久保田は、関東大会では初戦で強豪に当たったこともあり、勝ち星に恵まれなかったが、頭で当たる思い切りの良さ、馬力、闘志は、高く評価されていた。
この日は、中上位校の選手も正攻法でたびたび追い詰めるなど、健闘が目立ち、その評価が間違いなかったことを証明してくれた。これで4番のうち3つを取って王手。
続く五陣西森は、最後は投げに屈したものの、立会いから持ち味の動きのよさを発揮し、相手エースと互角に戦った。
そして副将・柳。気迫のこもった先制攻撃が効き、土俵際の思い切った投げによる勝利をつかんだ。
この時点で、4点。
塾相撲部20年ぶりの二部リーグでの1勝が決まった。

最後にもつれても、大将に唯一の4年生で信望の厚い吉田を置いておけば、終盤の選手は安心して、思い切って取れると考えていたその効果が出た。
結果的には、相手も大将に主力を置いており、その吉田がよもやの黒星を喫してしまい、最終スコアは1点差のきわどい勝利だったが、
精神的支柱としての吉田の存在は大きく、昨年の優勝同様、全員の力でつかんだ勝利といっていい。
本塾は、この後、3位に入った強豪・早稲田に3-4と食い下がったほか、国士舘からも2点を奪ったものの、勝ち星には至らず、1勝9点でリーグ戦を終えた。
しかし、防衛大が0勝に終わったため、結局、あの1戦が勝負を分け、本塾は、7位で逃げ切ることができた。

昨年、三部優勝したとは言っても、きわどい勝負をものにして勝ち取ったもの。
二部に欠場校があったから、入替戦も経ていない。
非常に価値ある誇るべき勝利だったが、完全に抜け出した力があるわけではなかった。
当時の戦力を考えれば、我々が入替戦に回る最有力候補だと思われたのは、むしろ当然だったにちがいない。

そこから、ずっとこの日へ向けた戦いが始まっていた。
心強いことに、翌年はエース村井を大学に迎える年であったが、それだけではとても勝てない。
とにかく、この日のために戦力の充実を図ることを考え、実行してきた。

なんとしてもリーグ戦二部を守る。
それが当面、最大の目標になることは、昨年のシーズン終了後から、しつこいぐらい唱え続けてきた。
目標をここと明確にしたため、6月の東日本選手権での目標があいまいになったり、先の体重別に向けての調整が上足するなどの副作用はあったが、
優先順位を明確にして取り組んだことは戦略として間違っていないと確信している。
昨年のリーグ戦終了後に腰痛の癒えた嶋西が戦力として加わったことも大きいが、皆の努力によって、新戦力補充と現有戦力の底上げの両方に成功した。
その結果、大幅な戦力アップを実現し、この日を迎え、そして勝った。防衛大戦で敗れた3人も、早稲田戦、国士舘戦で白星を挙げており、
先発全員が価値星を挙げている事実が、いかに充実した7人をそろえることができたかを物語っている。
先発だけではない。控えに回った若穂囲、中西、?部、登録メンバーに入れることができなかった上村、岡部の存在も、大きな刺激材料となり、活性化をもたらし、戦力強化に大きくつながった。
全員の力による勝利である。   





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