<東日本リーグ>二部で奮闘。一歩前進の6位
東日本学生相撲リーグは、9月16日、靖国神社相撲場で、2部、3部リーグが行われ、2部に出場
の本塾は、2勝14点で6位。一昨年の3部優勝でつかみ、昨年は7位で20年ぶりに守った2部リーグ
で、今年は残留にとどまらず、ひとつ上の階段に歩を進めることができた。
初戦から優勝候補の強豪、専修、中央らとの対戦が続き、出だしは負けが込んだが、動き自体は悪
くなかった。そうしたなか、第5戦で迎えた立教戦では、絶対に負けられない重圧のなか、各人がよく集
中して戦い、6-1のスコアで乗り切った。
これで重圧から解き放たれた本塾は、続く国士舘戦では、格上の相手に健闘。先鋒、二陣を続けて
落とす苦しい展開であったが、三陣岡本が見事な相撲で勝利すると、中堅戦でエース村井がこの日一
番の強烈な当りで難敵を一気の押しで下し、五陣戦も伊藤がすばらしい相撲で続き、流れは完全にこ
ちらのものとなった。迎えた副将戦で、柳が見事な動きを見せ、すばやく相手の足を取ると必死でくらい
つき、足取りの勝利。相手選手とは、まともにやってはとても勝てない実力差があるが、逆に一か八か
の奇襲を試してもよい場面である。ここで思い切ったことができるのが柳の強みで、昨年、一昨年のリ
ーグ戦でも、重要な場面で貴重な勝利をあげてきた「リーグ戦男」の面目躍如である。これで4点。この
チームで初めて、三部とのボーダーラインではなく、二部で安定した力を見せるチームを相手に、大き
な白星を得ることができた。
今回、選手はよく戦った。8位になったチームとの対戦スコアや格上チームとの対戦でも昨年を上回
り、順位もひとつ上にするという明確な結果を出した事実にも胸を張ってよく、たしかに自信を持ってよ
い。この1年間、無駄にしてこなかったことは、間違いなく証明できた。
とはいえ、上位5チームには今年も跳ね返され、大きな力の差を見せ付けられた事実も、また、冷静
に認識しなければならない。国士舘戦も、非常に意義ある勝利を得たとはいえ、7人戦であ
ったこと、相手の主力選に欠場があったという要因もあり、地力で上回ったと思っては勘違いも
はなはだしい。まだまだ二部の中位の安定した力をつけたとは、とてもいえない。ここでおごってしまったり
、気を緩めては、上を狙うどころか、三部のチームにも追いつかれかねまい。さらに上を目指すには、
まだまだいっそうの努力がなければ足りないことを認識すべきである。
今回の大きな勝因として、出場選手の奮闘はもちろんだが、後衛に回った選手たちのサポート、そして、
層の厚さがあげられる。大黒柱村井に次ぐ主力選手である嶋西、前田賢で落としながら強敵相手に勝利を
つかんだこと、立教戦で勝ちを決めた後も、伊藤、西森が気を緩めることなくきっちりと点差を広げた事実は、
エース級に頼らずどこからでも点を取ることを期待できるチーム構成であったことを示している。
また、今年から、先鋒二陣およびそれぞれの控え計4人のみ体重制限があり、無差別の控えも3人という
変則的な制度となった本大会で、スタメン7名に各交替選手5人を加えた12人をきっちりそろえられたチームは、
全8チーム中、本塾のみであった。人数不足に苦しんだり、体重制限のある先鋒二陣に一人は有力選手がいても、
その控えに苦慮したチームが多かったなかで、本塾は、軽量、重量ともに対抗できる服部をスーパーサブとして
取っておくことができ、これは精神的にも非常に大きな力となった。
今回、怪我や不調、その他諸事情で出場にいたらなかった選手たちも、次の大会での巻き返しを狙っており、
激化する部内競争により、チーム力が向上されていくことが期待される。
(後列左より)
小山先輩、小野副部長、斎藤OB会長、長谷山部長、前田監督、若穂囲、前田賢、
力石、村井、中西、松石、服部
(前列左より)
嶋西主将、西森、柳主務、伊藤、岡本