最高の環境、最高の仲間。充実の小田原秋季合宿。
(前列左より)
力石、柳(以上塾相撲部)、森兄、森弟(以上座間市少年相撲)、
(中列左より)
嶋西主将、松石、若穂囲、中西(以上塾相撲部)、北林監督(相洋高相撲部)、
前田監督(塾相撲部)、片野(日体大OB)、
(後列左より)
横田(日本福祉大)、村井(塾相撲部)、岸田、奥津、井上(以上相洋高OB)
栗田(塾相撲部)、市川(相洋高OB)
10月7日からの3日間、小田原市の相洋高校で、同校や神奈川県関係の選手らと合同で
秋季合宿を実施。短期間ではあるが、同校や多数お集まりいただいた有志の方々の絶
大なご協力を得て、非常に中身の濃い充実した強化合宿となった。
前日までの嵐のような荒天から一転、抜けるような青空に快適そのものの気候。東京
から新幹線なら1時間もかからないのに、きれいな空気、みかん畑や緑に囲まれ、小田
原城越しに相模湾を望むすばらしいロケーションで、思う存分、稽古することができた。
部員不足などからしばらく途絶えていた合宿を復活したのが2年前。監督が所属する神奈
川県相撲連盟のパイプを通じ、相洋高校出身の奥津選手、市川選手を頼って開始した小田
原合宿も、これで4回目。回を重ねるごとに充実度を増しているが、今回は、参加人数、
参加者の顔ぶれ、そして内容と、すべて過去最高のものとなった。
大成功といえる成果を生み出した要因は、選手、マネージャーが真剣に合宿に望み、積極
的に稽古に望んだこと。まずは、それがいえる。そして、なんといっても、すばらしき方々
と合同稽古できたことである。
相洋高校には、稽古場はもちろんのこと、宿舎まで面倒を見ていただき、顧問の北林先生
には試験前にもかかわらず全日程を通じてご参加いただく、破格のご厚意を賜った。
市川選手と小田原在住の日体大OB片野選手は、国体や関東大会の県代表の常連で、県下で
トップクラスの一流選手であるが、日常より遠方から塾相撲部の稽古場にかけつけていた
だき、大変な力となっていただいているが、合宿でも常に全面的に面倒を見ていただいており、
今回もまた、本当に本塾相撲部員を強くしようという、愛情のこもった稽古をつけていただいた。
日本福祉大相撲部の横田選手(本年度西日本学生体重別覇者)は、神奈川県(横須賀)出身
であることから監督との長年の友好関係があり、日常的に合同稽古を行ない、もはや身内
同然の親密さであるが、今回はマネージャーにも参加していただき、献身的な協力をして
くれた。また社会人の友好クラブである港南クラブからも真田選手が参加してくれ、横田選手
同様、稽古相手を質的量的に著しく高めてくれた。
圧巻だったのは最終日で、相洋高校からさらに4名の全国レベルで活躍したOBの方が駆けつ
けてくださった。特に、全日本選手で全国屈指の強豪教員選手である岸田選手(埼玉県)
には、稽古をつけていただくのみならず、一人ひとりに熱血指導をしていただき、目から
うろこが出るほどの貴重なアドバイスを多数いただいた。のみならず、稽古に臨む姿勢など、
これぞ一流という生きた教材そのものであった。これほどの現役強豪選手かつ一流の指導者が、
それこそ気持ちのこもった指導をしてくださる。これは、本当に幸運なことで、なんと感謝
していいかわからない。
上記の方々には、いずれも金銭的な見返りは一切ない。せいぜいちゃんこと、最後にしゃぶ
しゃぶを振舞った程度である。なのに、毎回、本当によくしていただける。金ですべてが
買えると本気で思っている人たちには、絶対に理解できない行為である(金銭で指導者を
呼ぶことはできても、ああいう気持ちのこもった指導は絶対に買えない)。
もちろん上記方々の人間的なすばらしさによるところは大きいが、それだけではない。、相撲に
真剣に取り組む者同士に通じ合える仲間同士の連帯感、相撲という競技が持つすばらしさが、
まちがいなくここにあるということである。
そしてもうひとつ、塾相撲部員の真剣な稽古態度があるからこそ、気持ちを入れて教えて
やろうという気になってくれたであろうことは、たしかに言える。熱血指導に応え、ひるむ
どころか競って土俵に飛び込んでいったこと、こういう稽古を経験できたこととあわせ、
自信をもっていい。今回の合宿は、ここでの稽古そのものも充実したものであり、技術的、
精神的にも学べることが多々あった。それ以上に、この稽古を経験できたことによる精神的な
自信と、その後の稽古を活性化させる刺激を得られたことが大きい。これを生かして強い部を
作っていくことこそ、指導や世話をしてくれた方々に対する恩返しに他ならない。